利用できるとは限らない!セーフティネット融資は業種指定されている

通常の企業を考えてみましょう。企業は事業を行って利益を出し、その利益で更に事業を行うというように運営します。しかし事業と言うのは常に利益が出ているわけではありませんから、事業を進めるために銀行から借入をすることもあります。銀行は企業が事業を行って出た利益から利息を払ってもらって自分の利益にする訳ですから。企業と銀行は持ちつ持たれつの関係と言うことになります。しかしこれで企業が利益が出ていれば良いのですが、銀行から借り入れをしても利益が出ない場合もあります。

事業が行き詰ってしまうと銀行は貸さない

さて借入したにもかかわらず事業から利益が出ないというようなことは不況期には良くあることです。銀行も自分の利益の元ですからある程度までは支援してくれますが、基本的には利益が出ず、利息の支払いもままならなくなった企業をいつまでも支援することはありません。利益も見込めず、場合によっては融資しているお金の回収も難しいと判断したら、早目に融資を回収して手を引きます。銀行も民間企業ですのでこれは仕方のないことです。こうなると企業は倒産を待つだけになってしまいます。

セーフティネット融資とは

ところがそういう困っている企業のためにあるような制度がセーフティネット融資という制度です。こういう制度はもちろん民間企業である銀行が出来るようなものではなく公的な中小企業向け制度です。この制度では単に経営が悪化したと言うだけではなく取引先が倒産してしまったと言うような場合でも利用することが出来ます。仕掛け的にはこのような様々な理由で経営不振に追い込まれた企業の信用保証枠を信用保証協会の特別枠で拡大させて銀行が融資しやすくするものです。

適用されるには条件が有る

中小企業にとっては有り難い制度なのですが、残念ながらどの企業でも利用できるわけではありません。この制度を利用する為にはまずその企業の業種が不況業種であると政府によって指定されていなければなりません。この指定はその時々で変更になり、不況時には多くの業種が指定されていますが、景気が回復してくると指定が解除されることになります。したがって利用に当たってはまず自分の会社がこの業種の中に入っていることを確認してください。

明らかに業績が落ちていることが必要

幸いにして政府の指定する業種の含まれている場合であっても実際にこの制度が適用されるためには直近の3か月の売り上げが3%以上落ちているなど、いくつかの条件のうち1つを満たしている必要が有ります。ですからこの場合には先月の売り上げが落ちていたとしても先々月の売り上げは落ちていないというような場合には、まだ適用されないかもしれん。苦しくてもこの基準を満たすまでは持ちこたえなくてはならない訳です。いざと言う時に備えて予め条件を確認しておきましょう。

適用されても借り入れできるとは限らない

この制度は信用保証枠を増やすという仕掛けで融資を受けやすくしようと言う物ですからこの増えた信用保証枠を使って金融機関が審査することになります。しかしそれでも必ず審査が通るという保証にはなりません。したがって制度が適用されたからと言って胸をなでおろしたいところかもしれませんが、金融機関との交渉は別の問題だという認識を持ってください。また経営が行き詰っている場合には融資が行われたとしても返済が厳しい事が予想されますから、十分注意しましょう。

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