増資により株主の発言力が高まる!大株主が増えれば経営は難しくなる

企業が資金を調達する方法は金融機関から借りるというような方法だけではありません。増資して市場から資金を調達する方法もあります。要するに▲株式を発行して投資家にそれを買ってもらう訳です。これは金融機関からの借入と違って返済の必要はありませんが出資した投資家には利益を配分する必要が生じ、場合によっては経営に口を出される可能性もあって、企業側にとっては良い面だけと言う訳ではありません。経営者は大きな責任を課されるわけです。

増資とは何か

増資するということは資本金を増やすことです。そのためには新たな株式を発行してそれを買ってもらうことが必要です。事業が将来有望であればあるほど投資家は株式を買ってくれます。これによって銀行から借入しなくても資金を調達できるようになる訳です。ただし、魅力的な製品が有るとか、お金になりそうな特許を持っているとか将来性が感じられなければ投資家はそんな会社の株式を買おうとはしませんから、全ての会社がたやすくこの方法を利用することはできません。

物言う株主が増えている

以前は株主がいろいろ口を出すことななくシャンシャンと言う形で株主総会は簡単に終了しました。しかし最近は出資したからには言いたいことは言うと考える株主も増えてきており新たな株式を発行すればこういった株主が増えるということも覚悟しなければなりません。株主を尊重することは良いことですが煩わしく感じる経営陣も多く、株主の質も良い場合ばかりでは有りません。ですから何らかの対策を立てている企業も珍しいことではないのです。

株主が増えることは良いことか

株を買うということはお金を出すから経営に参加させろと言うことです。企業の経営者からすれば経営に参加しようなどと言うことは煩わしい訳ですから、企業が十分利益を上げて資金調達の必要が無い場合には、株主が増えるような株式発行はしません。さらに利益が有るのであれば過去に発行した株式を買い取ることさえ考えるでしょう。企業にとっては株式でお金を調達できることは嬉しいことではあるのですが、経営者の目線ではそうではないのです。

事業に支障が無ければ資本金は少なくても良い

したがって事業が順調であれば資本金を増やす必要は無いのです。少ない資本金で大きな事業をしている会社も沢山あります。資本金だけで企業の良し悪しを判断できないのはこのためです。自前の事業で稼いだお金で新しい事業を起こせるのであればそれは大変立派な会社です。それが出来ないから金融機関からの融資だの増資などを考えなければならなくなるわけです。資本金が大きければ良い会社という考え方は止めるようにしなければなりません。

乗っ取られるリスクを考えておこう

増資と言うことはもう一つリスクが有ります。株式を新たに発行するわけですから、その株式を買い占めることもできます。そうすると大きな発言権が出来るため、経営に対して直接提案が出来るようになるかもしれません。さらに株式を買っていけば原理的には経営を乗っ取ることだってできます。したがって現経営者はそのようなことにならないために発行株式数を調整したりして経営側が確保している株式数で優位を保てるように考えねければならない訳です。

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